公開講演会「人文研究センターAI倫理共同研究プロジェクト公開研究会」
INFORMATION
2023年に文学部を中心にAIに関して哲学?倫理学的に考察する共同研究プロジェクトが文学部人文研究センターの枠内で行われている。AIと倫理に関しては、国内でもすでに多くの議論や研究がある。ただ、一方では「シンギュラリティ」やAIによる雇用の喪失などのネガティブな側面を煽るようなジャーナリスティックな理解と、他方では個別の分野における精緻な専門研究とのあいだで乖離が見られるように思われる。AIをはじめとする現代情報技術がさまざまな領域で実践的に活用され、データサイエンスに関する素養が人文学的な研究?教育においても求められる現在において、両者を架橋する具体的な研究の必要性はきわめて大きくなっていると考える。これまで、文学部および人工知能科学研究科に所属し人工知能の科学を専門とする村上祐子氏、人工知能科学研究科特任教授でゲームAI開発に携わりつつAIについての哲学的な考察で知られる三宅陽一郎氏、さらに文学部教授で哲学?倫理学を専攻する渡名喜庸哲による報告が行われたが、今回はその第三弾として、法学部兼任講師土屋裕子により生命倫理学の観点から、元文学部兼任講師でドイツThe New Institute研究員の佐藤麻貴氏により環境倫理学の観点から「AIの哲学」の可能性について議論する。
講師
本学法学部兼任講師、社会福祉研究所特任研究員
土屋 裕子(つちや ゆうこ)
専門は生命倫理学、医療倫理学、ELSIなど。主著に、『生命倫理と法』(共編著、弘文堂、2005年)、主な論文に「小児医療における子どもの「最善の利益」の決定と「司法の役割」に関する調査研究」(『医事法研究』2022年)など。
The New Institute研究員
佐藤 麻貴(さとう まき) 氏
元本学文学部兼任講師、元東京大学特任准教授。主著に、『環境倫理学』(共著、昭和堂、2020年)、主な論文に「人新世」が問いかけてくるもの:新たな環境思想のための思考実験ノート」(『哲学』、2020年)、“Between the Authentic and Artificial: From the Perspective of Contingency”, Embodied Intelligence Conference 2022など多数。
司会進行
本学文学部文学科文芸?思想専修教授
渡名喜 庸哲
詳細情報
名称
内容
17:00 趣旨説明:渡名喜庸哲
17:10 生命倫理学の観点から見たAI:土屋裕子
17:40 環境倫理学の観点から見たAI:佐藤麻貴氏
18:10 ディスカッション